2010年01月31日

宮地先生へのサンプル

100122

『金融リテラシー』の神宮司です。

私たちの社会の「時間」をめぐる状況がどうなっているのか、調査したものが|Works にいくつか集まりました。ご覧ください。

・全国及び47都道府県毎の生活時間相互の関係の傾向分析
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_rnote/e_rnote010/e_rnote009.pdf

・生活時間の国際比較―日・米・仏・韓のカップル調査
http://rengo-soken.or.jp/report_db/file/1238983928_a.pdf

・生活時間からみた単身世帯の「社会的孤立」の状況
http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/contribution/social/2009/kyousai0910_01.html

お金や貯金の問題も、広くは「時間」に関わっています。

・老後の生活資産に関する調査
http://research.rakuten.co.jp/report/20100121/

・企業年金と個人金融資産の関係
http://www.dir.co.jp/publicity/column/100121.html

お金を産み出す労働は、時間の単位で「効率性」が計られる訳ですが、また同時に「時間はお金で買えない」とも言われます(もっとも代替物をお金で買うことはあるので、ややこしいですが)。「ワークライフバランス」の問題は、この「お金」と「時間」のバランスの工夫の問題ないし「お金で買えるもの」と「買えないもの」とのバランスの問題、であるかもしれません。

・「ワークライフバランス 実証と政策提言」議事録
http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09121801.html
http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09121801.pdf(資料)
「子どもの質のコスト」の問題(収入が多くなるほどむしろ子ども数が減る)があり金銭的支援より、たとえば育児休暇制度の後押しの方が。つまり信頼など「出生意欲」支える条件の充実が重要。「意欲」が実際の出生率と強く相関するから。
→個人を軸とした社会設計を。



┃Business
 マーケティング、IT、ビジネスモデル、経営、産業論など

●平成生まれの2010 年新成人〜結婚したい(83.4%)、子どもがほしい(84.2%)
http://onet.jp/company/activity/report/vol53.pdf
現在の生活に満足している2010 年新成人 69.3%。その一方で、今後の進路に不安を感じている 67.0%。さらに驚き、自殺を考えたことがある 38.1%。でも最後は、「日本が好き」な2010 年新成人 80.9%。

●ソーシャルメディアに関する調査(下)
http://www.e-research.biz/profile/005686.html?utm_source=100119&utm_medium=m
ソーシャルメディアで友人を作ってリアルで交流したことのある人は、19.2%。一方9割の人はソーシャルゲーム課金に抵抗あり。

●コモディティ化が進むと、意味的価値が重要になる
http://www.ikedahayato.com/?p=483
コモディティ化進むと「意味的価値」が差別化要因になるというのは、そうだろう。その意味的価値の中でソーシャルメディアが重要になってくるとの指摘が面白い。

●ロックメディア 第39回 CESで見つけたオモロい展示6つ
http://www.icr.co.jp/newsletter/rockmedia/2010/rm2010001.html
将来のサービス予想が面白い:薄型電子書籍を無料で配布するテレビ局、大手ブランド/電子ペーパー、コンビニでダウンロード/デザイン性が成長の条件。

●スマートフォン、twitter、ソーシャルアプリ〜キーマン達が予測する2010年のモバイル業界
http://markezine.jp/article/detail/9339
ドワンゴの川影幸久氏はソフトバンクを推す。携帯電話買い換えは一巡、そうなると鍵はスマートフォンとWi-Fiになる。ただ、iPhoneは「2台目のみ」との声も。

●情報端末の多様化と、端末に依存しないプラットフォーム
http://www.jagat.jp/content/view/1759/393/
今年はケータイ一人勝ちの状況が崩れることになる(=端末の多様化)。そうなってくると「プラットフォーム」を先に作った方が勝ちということになってくるのか。

★Welcome to COPIA
http://www.thecopia.com/about.html
電子書籍端末向けのオープン・ソーシャルプラットフォーム「COPIA」。主要SNSを通じ、ユーザー間でのメッセージのやり取り/付箋の共有/高度な作品検索、を実現する。

●ネット書籍サービス
http://www.chukei.co.jp/net_book_about/
http://www.chukei.co.jp/net_book_qa/
本と同じ内容の電子書籍(「ネット書籍」)が、インターネットを通してパソコン上でも読めるサービス。中経出版。ダウンンロードではない、クラウド発想。

★Amazon Announces New 70 Percent Royalty Option for Kindle Digital Text Platform
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=RssLanding&cat=news&id=1376977
キンドルが提供する「個人作家であっても、Kindle Digital Text Platform(DTP)を使用し、電子出版できる仕組み」。今まで著者印税率は35%だったものを今般70%に。5つの条件はあるが。

●キンドル「印税70%」の衝撃 不況の出版界には大脅威
http://www.j-cast.com/2010/01/22058564.html
著者囲い込み戦略。囲い込んで、キンドルを読書端末市場のメガ端末にする思惑、ソニー、アップルを凌駕する戦略。裏側で、「著作者が出版社より強くなる」現象が起きるかもしれない。

●いまこそ本当の読書用iPodを
http://www.dotbook.jp/magazine-k/will_the_real_ipod_for_reading/
媒体が文章(さらには思考形式)を規定する、という指摘。電子読書における「1曲」は300語の短文。絵巻物の時代と、見開きの本との間にあった画期が、本とネット文章の間に起きる可能性。

●映画館公開と同時にアクトビラでオンデマンド上映
http://actvila.jp/pdf/press_20100113.pdf
映画もリアルタイム配信の時代! ただし、プライシングはちょっといただけない。電子書籍が出ると紙の本が売れなくなる、と同じ危惧を映画館側がいだいたか?

●新たな再編ステージが始まった自動車業界〜カギは新興国と環境技術
http://www.dbj.jp/ja/topics/report/2009/files/0000003719_file2.pdf
新興国で需要の高い小型車は、単価が低く一段のコストダウンが必要。電気自動車は電池が、既存内燃機関よりコスト高、かつ技術系統が延長線上のものではない。コスト問題プラス技術開発上の課題を日本メーカーは抱える。



┃Economy
 景気、成長と生産性、経済、環境、資本主義論、経済法など

●世界経済見通し〜新興国堅調、先進国低迷のコントラストが鮮明に:2010年経済見通し
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/ber/pdf/4736.pdf
(図表1)各国・地域の実質GDP成長率の推移(前年同期比、2008年1〜3月期以降)が、極めて鮮明にビジュアルに、世界の現状を映し出している。

●日本経済見通し〜2010年前半は再びマイナス成長に:2010年経済見通し...
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/ber/pdf/4741.pdf
デフレ圧力、設備投資調整圧力、人件費削減圧力の3つの調整圧力が景気にマイナス。これに政策面からの効果がはげる効果が加わり、年後半は息切れの公算。

●円高発、物価下落の可能性〜円高の緩和がデフレの進行に歯止めをかける
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/rashinban/pdf/et09_300.pdf
非貿易財産業をも巻き込む低賃金化が進行しており、輸入代替による雇用の不安定化が深刻。だから円高の緩和は、輸出物価の下落に歯止めをかけると同時に、 非輸出財の価格下落をともなうデフレへの抑止効果をもつと期待される。

●増加する実質耐久財消費:国内経済の動向
http://www.fukoku-life.co.jp/economic-information/report/download/report_VOL199.pdf
デフレによる物価下落が、数量ベースの消費を押し上げ、最終実質消費をも底堅くさせた。この背景には技術要因(同じ機能がより安い価格で手に入れられるようになった)があり、「デフレも悪くない」。

●公共事業をめぐる最近の動向と今後の課題〜社会資本整備はどうあるべきか:政策課題
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2010pdf/20100115131.pdf
20世紀前半までは鉄道、後半は道路、70年代以降は下水道、公園、福祉施設が中心。現在道路125万km、河川12万km、海岸3.5万km、 下水道39万km。そしてこの維持が21世紀、大きな行政課題に。「コンクリートから人へ」、また「金より知恵を出す」との整合性が求められている。



┃Finance
 金融、会計、税制、財政、地方分権、社会保障、金融工学、金融業など

●義務教育費国庫負担金の加配定数分を税源移譲せよ〜教職員定数制度の見直しに向けた提言
http://research.php.co.jp/policyreview/pdf/policy_v4_n21.pdf
自治体の住民が、必要な教職員の数を決め、その負担金額を実感する仕組みが必要、と。明治以来の制度変遷を踏まえながらの提言。

●第65回 地域経済活性化に地域金融が果たす役割について
http://www.dir.co.jp/souken/consulting/researcher/insite/100120.html
「中小企業や地域経済から期待される役割を果たすため、取引先や地域への過大なコミットメントコストを負担することにより、かえって収益力や健全性の低下といった状況を招いている場合」がある。

●“森林大国ニッポン”にチャンスあり! 地方銀行が、新たな「森」と「ビジネス」を育てる
http://diamond.jp/series/miyama/10007
地域ごとに産業クラスターが形成されているが、それはまたケイパビリティの偏在にも。「より多くの地域(地方銀行)が連携することは、ビジネスの円環が広がるとともに、それぞれの地域の得意分野を持ち寄ることで、ビジネスの芽をともに育むことにも繋がる」。

●「日本の森を守る地方銀行有志の会」 参加行と平成21年度活動計画
http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10108339/20090414170298.pdf
http://mori-chigin.jp/(ホームページ)
活動はこれから。

●「森林保全分野のパートナーシップ構築のあり方」調査報告書
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=13637&hou_id=11196
実際はグリーンウォッシュに陥っていないか自省が必要=グリーンウォッシュとは、企業が環境によいイメージを意図的に PR しながら実際には十分な環境 配慮を行わず、市民を欺くこと。

●拡大する生命保険のネット販売:新ビジネスモデル
http://www.dir.co.jp/souken/research/report/emg-inc/biz-model/09121401biz-model.pdf
ネット専業生保の誕生から1年半が経過した今、新規参入を果たした各社は着実に実績を上げている。従来型の営業手法「GNP(義理、人情、プレゼント)」への代替施策。これからが正念場。

●平成 21年度 生命保険に関する 全国実態調査 〈速報版〉
http://www.jili.or.jp/press/2009/pdf/09-4.pdf
平均的な姿:世帯主の全生保加入金額は、普通死亡保険金額が 1,768 万円、疾病入院給付金日額 が 10.4 千円。世帯年間払込保険料は、全生保で 45.4 万円。個人年金保険の基本年金年額は、111.9 万円。



┃Works
 雇用、人事、キャリア、働くって?、年金、シニア、人口動態、地域経済など

●全国及び47都道府県毎の生活時間相互の関係の傾向分析 (参考比較:少子化指標、経済指標)
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_rnote/e_rnote010/e_rnote009.pdf
「ワーク・ライフ・バランス社会の実現と生産性の関係に関する研究」関連資料。苛烈な日本社会=例:通勤時間と仕事時間の増減は無関係。つまり通勤の長時間分は、仕事以外に使用可能な時間(家事等や余暇等)から捻出→睡眠時間を削るしかない。

●生活時間の国際比較―日・米・仏・韓のカップル調査
http://rengo-soken.or.jp/report_db/file/1238983928_a.pdf
日本の特徴の一つは、実労働時間に通勤時間、待機時間(始業前や終業後に勤務先で 過ごしている時間)、勤務先での休憩時間を加えた時間 が長いこと。また他国比日本人は「自分の病気」「子供」理由でよく有給取得。おそらく家庭をサポートする体制の違い。

●個人請負就業の将来性〜日米の子持ち既婚女性に注目して
http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2010/documents/DP10-01.pdf
自由で柔軟な働き方が特徴とされる個人請負就業が、彼女らにとって将来性ある働き方になり得るかどうかを、日米のデータを比較することによって探った。処遇格差で、日米に大きな違い。

○「ワークライフバランス 実証と政策提言」議事録
http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09121801.html
http://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/09121801.pdf(資料)
「子どもの質のコスト」の問題(収入が多くなるほどむしろ子ども数が減る)があり金銭的支援より、たとえば育児休暇制度の後押しの方が。つまり信頼など「出生意欲」支える条件の充実が重要。「意欲」が実際の出生率と強く相関するから。→個人を軸とした社会設計を。

●生活時間からみた単身世帯の「社会的孤立」の状況
http://www.mizuho-ir.co.jp/publication/contribution/social/2009/kyousai0910_01.html
高齢単身世帯の一日あたりの生活時間(週平均)の、「一人で過ごす時間」「家族と過ごす時間」「家族以外の人と過ごす時間」を分析。配偶者と一緒に暮らしているかどうかによって「家族と過ごす時間」に圧倒的な違いがある。そのうえ他国比、日本では「友人、同僚、その他の人」との交流割合が極端に低い。

●老後の生活資産に関する調査
http://research.rakuten.co.jp/report/20100121/
老後の生活資金、気にしてはいても「準備は不十分」が44.0%。約8割が「老後の生活資金が不安」。背景に、公的年金への期待感低下。前回調査より3.0ポイント下回る。

●企業年金と個人金融資産の関係
http://www.dir.co.jp/publicity/column/100121.html
JAL問題で明らかになった、「積立て不足」問題。負債サイドの設定割引率などテクニカル/構造的なポイントも重要。



┃Global
 米国、中国、ロシア、EU、東欧、アジア、BRICsなど

●中国人民元為替問題の中間的総括:中国通
http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/china-research/topics/2010/no-127.html
1月12日に、人民銀行は商業銀行の預金準備率を0.5%引き上げた。そのインプリケーションをミニ解説。

●中国自動車産業の新たな挑戦:中国通
http://jp.fujitsu.com/group/fri/report/china-research/topics/2010/no-128.html
市場開放との交換で外国メーカーの進出を認め、技術移転を促す。この戦略が功を奏した。ここからの次のステップの象徴が吉利によるボルボ買収。果たして企業文化の統合は可能か。チャレンジ
は続く。

○中国自動車市場の現状と展望
http://www.sumitomotrust.co.jp/RES/research/PDF2/706_2.pdf
「新興国の内需型成長」そして「世界の新興国主導型成長」の象徴、それが中国自動車市場/新車販売台数NO1(2009)。図1 1人当たりGDPからみた中国における地域間の経済格差とブラジル、インドとの比較(2008年)も面白い。

●新たな時代を迎えたインド自動車・自動車部品産業
http://www.smrj.go.jp/keiei/kokurepo/kaigai/051467.html
「2020年までに1990年比で地球温室効果ガスを25%削減」。これは鉄鋼、自動車等我が国基幹産業への構造的転換を強いるもの。しかしながらこの「成しがたき」課題に、案外たとえばインドの産業振興の中に、解決のヒントがあるかもしれない。

●ギリシャの財政危機とユーロ
http://www.nli-research.co.jp/report/econo_letter/2009/we100115eu.pdf
為替の減価を必要としているギリシャなどの国々にとっては、元を中心とするアジア通貨とドルの間で為替調整が進まないしわ寄せで、世界第二位の経常黒字国・ドイツを中核とするユーロの増価が進むシナリオは、最大の悪夢。

●ギリシャの悲劇
http://www.daiwasbi.co.jp/column/economist/26/index02.html
EUに加盟したことの「喜劇と悲劇」。ギリシャの場合、EMUという枠組みのなかに止まっている限り、金融、為替、財政政策のいずれも、独自政策をギリシャ経済を立て直すために使うことができない。



┃Others

●熱言
http://netsugen.straightline.jp/
熱い意思を持ったホンキの言葉=「熱言」。元テニスプレイヤーの松岡修造さんの造語。

●演出は、初めから決まっていたんだね
http://www.okaasan.net/index.php?itemid=12792
「やらせ」告発。大家族もの番組に出演している母親からのテレビ局への抗議。
続きを読む
posted by sansara at 15:49| 東京 晴れ| Comment(41) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月26日

[ 「排他」より、「インセンティブ」

『金融リテラシー』の神宮司です。

中央集権的・強制的アプローチでは、国民経済のような複雑な現象
の調整はむずかしいことが、歴史的に証明されたのが「ベルリンの
壁崩壊」に象徴される、社会主義国家実験の蹉跌でした。

しかしだからといって、「市場」制度が決して「神」のごとく万能
でないことが証明されたのが、昨年来の金融に端を発する「100年
に一度の危機」でした。

ポイントは数字で割り切れない、または数字の裏にあって蠢く、人
間の「心」。「心」に火がつけば事態が動く。「心」が萎えれば事
態は悪化していくことも。だから「インセンティブ」の制度設計が
重要だということになります。

「知」の流通による活性化、ひとつは特許、著作権の分野で、そし
てもうひとつは組織の活性化、経済の活性化(イノベーション)の
分野で、「インセンティブ」の設計に関する議論が盛んです。

・知的財産権制度の新たな地平線・序説
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/pdp/08p009.pdf(本文)
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/rd/037.html(解説)
「オープン」の概念の台頭を受け、思想的な変革。「排他」より、
「インセンティブ」を重視した方が経済の発展に資する。

・第20回 2009年度 新入社員意識調査〜「今の会社に一生勤めようと思う」が昨年に比べ大幅に増加、過去最高
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/mdd/activity000914/attached.pdf
「チームを組んで成果を分かち合える仕事」(83.5%)がしたい。
「仕事を通じてかなえたい『夢』がある」(71.6%)。

・「ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会」最終報告書(本文)
http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/saishuhoukokuzenbun.pdf
ベンチャー創業は、起業家自身の夢の達成、志の実行、社会への貢
献にもつながる。そしてそれこそが日本革新の源泉。
posted by sansara at 08:54| 東京 曇り| Comment(23) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月19日

老後の備え

『金融リテラシー』の神宮司です。

日本・米国・韓国・ドイツ・フランス、この5カ国で、老後の生活
資金のファイナンス手段を、複数回答方式で調査した、その結果を
見ると、日本が公的年金への依存度が際立っているのが、内閣府の
調査でわかります。

・増加する高齢無職世帯
http://www.kokusai-am.co.jp/report/senryaku/2009/090414/11.pdf
各国の「老後」のファイナンスの違いを一覧に。日本の公的年金受
給額の購買力は25年間で8割程度に低下する可能性も。

手段ごとに国を横串して、5ヵ国中最も数値が高い手段は、各国各々
日本:公的年金、
米国:財産からの収入、
韓国:子供などからの援助、仕事による収入、生活保護、
ドイツ:現預金などの引き出し、
フランス:財産からの収入
となっています。

これは5カ国の中での相対的な位置づけになりますが、次に一つの
国の中での公的年金のウェイトを、複数回答数の合計に対する比率
で計算すると、次のような結果です。
日本  米国  韓国  ドイツ フランス
53.5% 33.1% 8.6% 45.1% 33.4%

(韓国以外は)年金依存度が高い傾向にあるのは共通していますが、
最初の「相対的な位置づけ」と重ね合わせてわかることは、他の手
段が日本の場合、低い(=公的年金依存が際立っている)という点
だと考えられます。

例えば公的年金と二番手の手段との「差」を並べると、

日本=62.9、米国=31.8、ドイツ=40.5、

となり、一方韓国は子供からの援助が第一位でその公的年金との差
はマイナス45.9、フランスは私的な年金が第一位で公的年金との差
はマイナス1.8という状況です。

つまり、投資のリスク管理でいうところの「分散」のポイントで、
日本人の「老後」には問題がある、ということです。たとえばクリ
ップのURLのレポートでは、日本の公的年金受給額の購買力は25年間
で8割程度に低下する可能性を指摘しています。

こういったことをどう捉えたらよいのか。

政府の舵取り(年金制度設計の変更)次第で、社会の雰囲気や、人
生観が大きく左右されかねない構造になっているのではないでしょ
うか。更に「自分の人生は自分で決めていける」と思えるか、「社
会は私達の手で変えられる」と思えるか、といった事柄に関しても、
問題のある社会になっているのかもしれません。

こういった「老後」の備えの絶対レベル(金額が十分か)とは別の
観点も重要な気がします。

posted by sansara at 19:27| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月12日

「Google和解」で、本当に考えなくてはいけないこと

『金融リテラシー』の神宮司です。

タブロイド情報紙の編集・中井さんが以前、「無料で誰でも閲覧で
きるのがネットの魅力ですが、これまで長く保護されてきた「著作
権」の位置が大きく揺らいでいる最近。深い議論が必要となってく
るのではないでしょうか」と指摘されていた、グーグル和解問題。

出版業界の構造的な問題と関連させて考えてみました。

ご興味のある方、どうぞご覧になってください。

・「Google和解」で、本当に考えなくてはいけないこと
(1)「Google和解の件についての情報交換会」
http://news.livedoor.com/article/detail/4099650/
(2)ベルヌ条約で、米国での和解の内容が日本に及ぶ
http://news.livedoor.com/article/detail/4101424/
(3)デジタル化は紙の本の売り上げへの脅威なのか
http://news.livedoor.com/article/detail/4103220/
(4)日本と欧米の、出版業界の構造的な違い
http://news.livedoor.com/article/detail/4105044/


ただそもそも「著作権」ってなんなんだろう、どういう位置づけの
ものなんだろう、といったポイントはまた別に考えてみたいところ
です。

話を学術図書に限ると「著作権」は、「著者」を保護するツールと
いうより、初版小部数で採算が取りにくい学術書を発行する「出版
社」を保護するツールと考えれます。つまり「出版社」を保護する
ことを通じて、学術コンテンツの流通を担保する工夫が、「著作権」
だったのではないでしょうか。

別の形で、つまり紙パッケージでない、ネットでの流通が可能で、
しかも現行ツール(「著作権」)がネットでの流通を疎外する要素
があるのであれば、再考する余地はあるのかもしれません。

ただだからといって、紙パッケージの流通を否定する必要もなく、
両者が共存するツールに鍛えなおすか、別のツール(「ネット権」)
を考案するか、道はいくつかありそうです。

posted by sansara at 18:52| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月05日

それでも非正規雇用は増えている

『金融リテラシー』の神宮司です。

これは東京近郊での出来事で、一般化するには色々調べなくてはな
りませんが、児童保育所の住所録を作ったとき、戸建てが多いのに
驚きました。保育児童のいる世帯ですから、夫婦は30代でしょうね。
大方はダブルインカムです。保育所の行事に、時々欠席しますが、
だいたい海外旅行に行っています。

一方で戸建てでないところはアパートや公立賃貸。母子家庭が多い
です。

数は少ないですが、生活保護を受けている世帯もあります。ところ
がこの世帯に自動車があったり、海外旅行が必ずしも無縁ではない
のです。

日本の社会は随分むずかしいところに差し掛かっているなあ、と感
じます。

そしてもし仮に、最初のダブルインカムの世帯の片親が失業したら、
ダブルインカムを前提に組まれた住宅ローンと消費水準、それをベー
スにした生活感覚はどこへ行くのだろうと、アメリカの住宅バブル
とはまた違った、社会の雰囲気の変化につながっていくのだろうか、
あれこれ考えさせられました。

・それでも非正規雇用は増えている
http://www.nli-research.co.jp/report/econo_letter/2008/we090327.pdf
新聞に振り回されてはならない。統計で見ると、パート、派遣とは
違い契約社員などはむしろ増加。減っているのは正社員の数。

・『新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について』とりまとめに向けた論点整理
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kansieikyo/konnan-ronten/zenbun.pdf(本文)
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kansieikyo/konnan-ronten/gaiyou.pdf(概論)
経済社会の変化のもとで顕在化しつつある女性の生活困難リスク。
私たちの社会が抱える問題が、一定の人の上に凝縮されてきた。

posted by sansara at 00:00| 東京 晴れ| Comment(1) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月15日

読書端末、電子書籍の年

『金融リテラシー』の神宮司です。

3月9日国立国会図書館で(関西との中継含め会場には合計400人
近くが参集)、「電子書籍の流通・利用・保存に関する調査研究」
のとりまとめを記念して、発表会が行われました。

・電子書籍の流通・利用・保存に関する調査研究
http://current.ndl.go.jp/files/report/no11/lis_rr_11_rev_20090313.pdf
電子書籍販売サイトの数字の集計を超えて、ヒヤリング調査により、
有料無料両方の、これまでの歴史と現状を活写。

ところが、たとえば本配信分にもあるように、Amazon Kindleの成
功と、KindleとiPhoneの相互乗り入れ(読書端末としての位置づけ
を与えられつつある)など、演壇のスピーカーに「3ヶ月前のこの
調査報告内容を、過去のものにする動きが活発」と言わせる、めま
ぐるしい展開が、海の向うでは始まっています。

・Amazon、iPhone用のKindle電子ブックアプリを公開
http://japanese.engadget.com/2009/03/04/amazon-iphone-kindle/
アマゾンは自社の電子ブックリーダー「キンドル」以外のデバイス
にも電子書籍の販売拡大。読んだ最後のページを記録する機能付き。

・アップルの新タブレットで新たなうわさ--今度は「Kindle」に似た製品
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20389781,00.htm
今年は、読書端末、電子書籍の年になるのでしょうか。

・Swets - SwetsWise Online Content Available on Apple iPhone and Apple iPod Touch
http://www.swets.com/web/show/id=46021/langid=42/contentid=376
学術雑誌の取次大手Swets社が運営するサイトの1万1千タイトル以上
の電子ジャーナルが、iPhone/iPod Touchからアクセス可能に。

一方、今日の雑学[clips 09.03.03]で中井さんが指摘したような、
グーグル対応に右往左往している日本ですが、遅ればせながら海外
に追随する、法律改正が具体化しています。

●著作権法の一部を改正する法律案
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2009/03/11/1251916_1_3.pdf(概要)
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2009/03/11/1251916_3_3.pdf(案)
ネット等を活用した著作物利用の円滑化を図る:検索エンジンにお
けるキャッシュ作成、国立国会図書館の所蔵資料の電子化など。

今年は、読書端末、電子書籍が市民権を得る年になるのかもしれません。

posted by sansara at 21:04| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月01日

「つみきのいえ」

『金融リテラシー』の神宮司です。

昨年の秋は、日本人のノーベル賞受賞にわきましたが、今度はダブ
ルのアカデミー賞。海外映画部門で「おくりびと」、そして短編ア
ニメ部門で「つみきのいえ」。
素晴らしいですね。

たまたまなんですが、2月の14日、私達の結婚記念日に、家族み
んなで、サントリー美術館と国立新美術館をはしごしました。その
時、国立新美術館では文化庁メディア芸術祭が催されていて、芸術
祭受賞作品が見れたのですが、その中に「つみきのいえ」がありま
した。アニメーション部門の大賞の作品です。

「時間」には、矢印の「時間」と、降り積もる「時間」があります。
この作品は、降り積もる「時間」を表現している短編アニメで、科
白は一切ありませんが、よく作りこまれた画面と、ストーリーに静
かな感動を覚える作品でした。

本当におめでとうございます。

・2008年 文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門 大賞 つみきのいえ
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/animation/001039/
ハリウッドでアカデミー賞(短編アニメ部門)をとった「つみきの
いえ」は、国内では文化庁メディア芸術祭でも大賞受賞。


posted by sansara at 11:38| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月22日

法人税の鋭角的な急減

『金融リテラシー』の神宮司です。

法人税の鋭角的な急減で、これから色々なことが起きてきそうです。

大阪の橋下知事は、府の財政建て直しに一応の目処をたて、黒字化
に成功。理由に府の職員の人件費削減など不人気な政策に踏み込ん
だ実績がありました。

その橋本知事が直轄事業負担金制度を背景にした、国道の維持費用
や1級河川の管理費用の大阪府負担分の一部を予算案に計上しない
方針を明らかにし、世間の注目を集めています。

「府がこれだけ府民へのサービスを削り、職員も削っているのに、
公務員の人件費に手をつけない政府や国に、支払う金などない」と
啖呵を切って見せました。

なかなか、一般の人にとっても、腑に落ちるロジックですよね。

これから時間がたって、法人税が当初予定していた数字より、大幅
に乖離することが判明してくると、この手の議論はさらにエスカレー
トするでしょう。

国と地方公共団体との役割分担、お金の流れの仕組みを見直す契機
になりそうです。次の選挙はこういうことが争点になるといいです。

関連したクリップに、今週ですと下記のようなものがあります。

・行政キャッシュフロー計算書の利害調整機能
http://www.dir.co.jp/publicity/column/090213.html
医療の充実か、中心市街地活性化か、道路かダムか市民ホールか、
エクセル表でシュミレーションしながら検討、議論できる。

・財務状況把握と地方公共団体財政健全化法の指標の比較・整理
http://www.mof.go.jp/kentoukai/gyouseiunei/chihouwt/siryou/210129_05.pdf
債務償還能力と資金繰りリスクが、簡単に把握できる。企業におけ
る「格付け」に相当するものをつくる構想。

・世界同時不況の中で低迷を余儀なくされる我が国経済〜平成21年度政府経済見通し
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/books2/200965/20096517.pdf
結論を支持するかどうかは別にして、「図表3 我が国経済の波及
経路と経済財政政策の関係(イメージ)」は参考になる。


posted by sansara at 00:00| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月15日

ネットでできることなら、TV上でも

『金融リテラシー』の神宮司です。

中井さんのクリップに米国での「ソーシャルTV」へ向かう傾向に
ついてのレポートがありました。

・ユーザーの36%はSNSをテレビからも利用したい
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Research/20090206/324304/?ST=ittrend
ABIリサーチ社の調査による。

これまでの流れは、映像、音楽などTVで流れているエンタメ系コ
ンテンツがネットでも見れるように、がコンセプトだったわけですが、
これからはネットでできることなら、TV上でもやりたい、これが
新しい流れになるのかもしれません。

日本にもそういう素地が生まれてきているらしい、と思わせるのが
下記のクリップです。

・テレビ見ながら「インターネット」 成人の7割 「ご飯」派は2位
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090211/biz0902110046000-n1.htm
帰宅してまず、TVと一緒にPCのスイッチを入れるのが習慣化?
それともPC画面でTV?「携帯でネットを見ながらTV」も。

posted by sansara at 20:52| 東京 晴れ| Comment(1) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月08日

何を売るか、どう売るか

『金融リテラシー』の神宮司です。

景気循環論では捉えつくせない、構造的な変化が起きているようで
すね。象徴的な例が自動車ですが、とうとう米国の新車販売台数が、
中国のそれを下回るということが起きました。

●1月米自動車販売は27年ぶり低水準、中国に初めて抜かれる
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-36278520090204
クライスラー55%減、GMは49%減。その結果、米国内自動車販売
台数は、27年ぶりの低水準。そして中国販売台数を初めて下回った。

その一方で、同じ米国内なのに、小売業者としての Amazon(もは
や本屋さんの範疇を超えています)の売上は、まるで別の国の数字
のようです。

★Amazon.com Announces Fourth Quarter Sales up 18% to $6.70 Billion; 2008 Free Cash Flow Grows 16% to $1.36 Billion
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=97664&p=irol-newsArticle&ID=1250070&highlight=
この大不景気のさなか、米国内も海外も売上増。特に、携帯型電子
ブック・リーダー『Kindle』の需要が高かった。

何を売るか、どう売るかについて、余程知恵を絞らねばならないですね。

この「どう売るか」を、精錬、高度化させるとついに社会インフラ
的な仕組みになり、インフラ利用に対しある対価を支払うという事
が起きてくるのではないか。ちょっと突飛に聞こえるかもしれませ
んが、そういうテーマを09年第二号のマンスリーレポートに書いて
みました。

お楽しみに。

posted by sansara at 00:00| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | comment | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。